『災害時における自律姿勢制御を有した人命救助補助装置』
平成14年度中小企業創造活動促進法認定企画
企画立案:株式会社日本シンクタンク・システムズ
■概要
近年、各技術の進化・発展は目覚しいにもかかわらず、未だ災害対策は万全とは言えない現状です。天災(洪水・地震等)および人災(火事・海難事故等)発生時、119番通報による人命救助要請を受けて消防隊員が現場に急行しても、救助不可能と判断した場合、再度レスキュー隊や自衛隊に出動依頼しなければならない。 しかし、一刻を争う緊急時、このタイムラグは致命的である。 そこで、初動での消防隊員の対処可能範囲を拡大させるため、自律姿勢制御を有した人命救助装置の開発を計画したものである
■研究開発の内容及び規模
研究すべく主たる課題は、1「ホバリングの研究」を電動モーターモデル機で、2「悪条件下(強 風雨時)での安定した自律姿勢制御の研究」をエンジン試作機1号機で研究する。1のホバリングの研究に際して、電動モーターを使用したモデル機は室内での実験が可能であり、ジャイロ、加速度計、高度計等のセンサーからのデータを元に姿勢制御を行うコントロールユニットの基本アルゴリズムの開発を容易にする。なお、次期開発テーマの「災害時の運用に即した機構と付帯設備の研究」は、エンジン試作機2号機にて予定している。
■成果の企業化又は適用の効果
当システム及び機材は、救命用に研究開発するものであるが、その他にも応用範囲は広く、「高圧送電線の鉄塔間の配線」及び「航空撮影」等に使用も可能である。日本国内の消防本部と消防署数の合計は約2,600箇所あり海外の販売も視野にある。また、このシステムの導入にあたっては、販売と保守メンテナンス業務が伴う新しい分野の産業となる。
■研究開発の必要な理由
近年、各専門技術の進化・発展は目覚しい。しかし、未だ、災害対策においては万全とはいえない状況である。特に、地球環境変化によると考えられている異常気象・予測不可能な天候・大型化する台風、広域地震に対する危機管理対策は重大な問題となっている。 現在、天災(洪水・地震等)及び人災(火災・海難事故)発生時、119番通報による人命救助要請を受けて消防隊員が現場に急行しても、様々な悪条件により救助不可能と判断した場合、再度、レスキユー隊や自衛隊に出動依頼しなければならない。しかし、一刻を争う緊急時、このタイムラグは致命的である。 そこで、初動の段階で消防隊員の対処可能範囲を拡大させ、消防隊員の安全を確保し二次災害を防ぎ、一人でも多くの被災者を救うため、人命救助装置の開発を計画した。 上記を実現すべく、最終的な完成品では、機体重量を30Kg以内、当機が必要とするペイロードを18Kgとし、実積載荷重は、10Kgまで。ロータリエンジンを3機搭載しRISCチップマイコンによる自律姿勢制御装置を有し、無線操縦により被災者の元へ救援物資を安全かつ正確に届け、被災者への被害を最小限に留めるべく、迅速な救助を促進することを目的とする。 この装置及びシステムが活躍されるであろう事例の一部を以下に記す。
▼事例1(洪水)
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▼事例2(ビル火災)
高層ビル火災で、炎や煙で避難路を断たれ被災者が孤立し消防隊員もそこに到達できない場合、脱出ロープや酸素マスク、望遠シートなどを当装置に搭載して、建物外壁にそって上昇し窓等の開口部から被災者に救援物資を届け、救護までの時間を稼ぎ救助にあたる。
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■その他
全国的・世界的に多発する、銃・覚せい剤等を用いた凶悪犯罪やテロリストによる建造物、 爆発物等のテロ対策にも、充分活用できる。
▼研究内容
イ、『ホバリングの研究』
空中で一定の位置(3次元的空間位置)と方向を保ち空中停止する事を可能とする制御アルゴリズムを研究する。入力センサーは、3軸ジャイロセンサー、3方向加速度センサー、高度計を用い入力装置を介しPCへ取り込む。PCでは、本機の位置のずれを感知し3次元ベクトル計算を行い補正すべくその結果を動力部(3組の電動モーター出力コントローラ、ローターピッチ、エレベータとロールを制御する)に伝える。
ロ、『操舵の研究』
操縦者が意図する位置へ本機を移動し停止、安定させる制御アルゴリズムを研究する。空中では、水平移動の摩擦抵抗が殆ど無い為、移動後は、慣性重量を打ち消す為に移動方向と反対側に舵を切る必要がある。またそれに合わせ、ホバリングに使用していた真下への出力ベクトルの方向を変えるわけであるゆえ、当然、出力スロットル及びローターのピッチを増加させる制御が伴う。一連のコントロールも操縦者は、移動したい方向へコントロールレバーを傾け、停止したい位置でレバーを中立にするだけの簡単な操作での操縦の実現を目的とする。
ハ、『悪条件下での安定の研究』
実際の救護活動では、強風雨下での活動も予想される為、悪条件下に対応すべく制御アルゴリズムを改変する必要がある。ジャイロ、加速度センサー及び高度センサーからだけでは、移動した結果からでしか外的力(風圧)を予想するしかない。しかし、外的力の予測値は移動距離から導き出すことができるが、正確な数値を求めようとするとサンプリング時間を長くする必要がある。すると、その間機体が流されてしまう事になる。機体の位置を留める制御の為に正確な外的力を求め、機体の移動量から計算するのでは、矛盾が生じることになる。そこで今回、小型の風圧力センサー(コンデンサマイクを応用)を機体外装部に配列して三次元方向での風圧と風向を計測し機体にかかる外的力を予測するのではなく、実測値を元に外的力を打ち消すベクトル値を姿勢制御フィードバック値に加算して動力に伝えるものである。
▼基本仕様
1、 基本骨格は、アルミニュームパイプと硬化ウレタンを内殻とし軽量化を図る。(機体重量を30Kg以内)
2、 機体中央部内部には、制御ユニット、3軸ジャイロ加速度センサー、高度計、コントロール受信機を配置する。
3、 機体中央下部には、救援物資運搬用のアームを配置、物資を被災者へ引き渡す時に使用し操縦者の意思で開閉ができる。
4、 機体の外装は、FRP樹脂製で剛性を高める。
5、 エンジンは23ccのロータリエンジンを3基搭載する
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